AIアプリ開発ツール「Antigravity」を使ってスマートフォンアプリを2日で作ってみた

はじめに

近年、生成AIの進化によりソフトウェア開発の在り方が急速に変化しています。
コード生成AIやアプリ開発支援ツールの登場により、従来の開発プロセスが大きく変わりつつあります。

本記事では、AIを活用したアプリ開発がどの程度実用的なレベルに達しているのかを体験的に検証することを目的としています。

また、AIの進化スピードを実際に体験することで、

  • 今後のソフトウェア開発の進め方
  • IT業界で求められるスキル
  • エンジニアの役割の変化

について考察することも目的の一つです。

今回は、AIアプリ開発ツール Antigravity を利用してスマートフォンアプリの開発を試しました。


開発ツールの選定

今回のアプリ開発では、複数のAI開発ツールを検討しました。

当初は生成AIとして広く利用されている Claude を利用した開発も試しました。
構成は以下です。

  • Claude
  • Android Studio
  • 実機スマートフォン

しかし実際に進めてみると

  • Android開発環境の設定
  • 実機接続
  • ソースコード編集

などの作業が必要で、環境構築に想定以上の時間がかかりました。

過去にプログラム経験はあるものの、現在は開発から離れているため環境構築の負担が大きく、途中で開発を中断しました。

その後 Antigravity を試したところ、

  • 開発手順の提示
  • 必要コマンドの案内
  • 開発環境のサポート

などが整理されており、比較的スムーズに開発を進めることができました。

そのため今回の検証では Antigravityを利用してアプリ開発を行いました。


Antigravityとは

Antigravityは、AIを活用してアプリ開発を支援するツールです。

プロンプトで要件を伝えることで

  • アプリ設計
  • コード生成
  • 開発手順の提示

などをAIがサポートします。

今回使用したのは 無料版です。

無料版では利用可能なAIモデル数に制限があり、今回のアプリ完成時点でモデルをすべて使い切ってしまいました。
現在は 約120時間の待機状態となっています。

この待機時間を利用して本記事を執筆しています。


今回開発したアプリ

今回作成したのは 学習時間を記録するスマートフォンアプリです。

対象ユーザー
高校生・大学生

目的
勉強時間の可視化

対応OS

  • iOS
  • Android

図1 学習時間を記録するメイン画面

タイマーを使って学習時間を記録できます。


主な機能

無料機能

  • 5教科の学習時間記録
    (国語・数学・理科・社会・英語)
  • 学習時間のグラフ表示
    (日次・週次・月次)

図2 学習時間の分析画面

日次・週次・月次で学習時間をグラフ表示できます。


学習メモ機能

学習内容をメモとして残す機能も実装しました。


図3 学習内容を記録するメモ機能

学習した内容を簡単に記録できます。


設定機能

アプリの設定画面では各種設定を変更できます。


図4 アプリの設定画面

ダークモードなどの設定が可能です。教科名も変更可能となっており、各教科に目標時間を設定できます。


開発の進め方

最初にAntigravityへ以下の要件を伝えました。

「高校生・大学生をメインターゲットとした、勉強時間を記録して合計時間を見える化するスマートフォンアプリ(iOS / Android対応)」

その後、AIと対話しながら機能をブラッシュアップしていきました。

PowerShellやExpoなどの知識が必要な部分についても、Antigravityに質問しながら進めています。


開発スケジュール

開発は 約2日で完了しました。

1日目

  • Expo Go導入
  • 学習記録機能
  • タイマー機能
  • 教科追加
  • 教科名変更
  • グラフ表示(円グラフ・折れ線グラフ)

同一ネットワーク内で Expo Go を利用し、スマートフォンでリアルタイムテストを行いました。

2日目

  • UIデザイン改善
  • ダークモード対応
  • アプリアイコン自動生成
  • 経験値によるレベルアップ機能
  • GPSによる地域取得
  • 天気・気温表示
  • CSVバックアップ
  • APKビルド
  • スマートフォンへインストール

APKファイルは Expoアカウントを作成しPowerShellコマンドでビルドしました。

Google Play公開は行わず、APKを直接ダウンロードしています。


AIによる開発体験

今回の開発で特に印象的だったのは、AIが以下の部分までサポートしてくれたことです。

  • UIデザイン提案
  • ダークモード対応
  • アプリアイコン生成
  • カラーデザイン

最近のアプリトレンドを踏まえたデザイン提案も行われ、それを採用しながらアプリを完成させました。


AI開発ツールの進化

AI開発ツールは近年急速に進化しています。

一般的には次のような段階で発展してきました。

世代特徴
第1世代コード補完
第2世代コード生成
第3世代アプリ開発支援

現在はAIが

  • 設計
  • コード生成
  • 開発手順

をサポートする段階に入りつつあります。


AIの進化と今後のIT人材像

今回の検証を通して感じたのは、AIによる開発支援の進化スピードの速さです。

以前はアプリ開発には

  • 開発環境の構築
  • プログラミング言語の習得
  • フレームワーク理解

などの技術的ハードルがありました。

しかし現在はAIを活用することで

  • 開発手順提示
  • コード生成
  • 環境構築サポート

などが可能になり、プロトタイプであれば短期間で作成できるようになりつつあります。

今後は

AIを活用して開発を進められる人材

の重要性が高まる可能性があります。

具体的には

  • AIへの適切な指示
  • AI生成成果物の評価
  • システム全体の設計

といった能力です。

エンジニアの役割は

実装中心から設計・判断中心へ

変化していく可能性があります。

今回の検証は小規模なアプリ開発ですが、AI開発の可能性を体験することができました。

今後もAIツールの進化を検証しながら、IT業界の開発スタイルの変化について考察していきたいと考えています。